きっかけ

プロのサッカー選手が中高生や大学生、大人の方のプレーについて真剣にアドバイスする機会はなかなかありませんでした。そのような選手のプレーを見て『もっとこうしたほうがいいのに』、『こうしたらうまくいくのに』、『もっとこうしたほうが今後のためになるのに』などと思うことがありました。しかし、それを伝える機会はなく、伝えられる機会があったとしても選手が該当のプレーを客観的に振り返ることができず、うまく伝えられませんでした。

そこで、One PAでは選手のプレー動画を送ってもらうことでその選手にうまくアドバイスを伝えることができると考えました。One PAが選手のプレー向上の一助として1つのツールになることを目的にしています。

経験

子どもの頃からこれまでにさまざまなコーチと出会い、自分のプレーに対して多様なコーチングを受けてきました。1つのアドバイスによってプレーが変わり、それが自信となり、自信がついたことによって他のプレーまでよくなる経験を何回もしてきました。
しかし、自身のプレーに対して評価、コーチングしてくれるのは大抵の場合、所属しているチームのコーチ、あるいは親しかいません。自分のプレーに対しての意見、違った視点からの見解などが欲しくてもなかなかもらうことができません。
One PAはそれを解決する1つのツールになります。改善点があるならアドバイスを伝え、ない場合は自身のプレーの自信に繋げてほしいです。その手助けをしたいと思い、このOne PAを始めました。

自分という価値

小学校1年生のときからサッカーを本格的にはじめて、これまで23年間サッカーを続けてきました。プロ11年目になり、これまでJ1、J2のチームでプレーをしてきました。J1の舞台、J2の舞台、アジアの舞台を経験し、ゴールやアシスト、試合に出られるとき出られないとき、年間通して試合に出られるとき、年間で1試合しか試合に出られないときなどさまざまな経験をしてきました。また、それぞれの特徴をもった監督のもとでプレーし、さまざまなことを学んできました。

私は決して突出した身体能力があるわけでもなく、体格的にも恵まれていません。そんな私がこれまでプレーができているのは自分の能力を把握し、どうしたら生き残っていけるかを考え、工夫をしてきたからだと思っています。プロの世界に入ると自分以上に身体能力、ボール技術が高い選手がたくさんいることに気づき、自分が勝負するのは身体能力、ボール技術の高さではなく、ポジショニング、タイミング、予測などで身体能力やボール技術以外の部分を磨いていくことが生き残る道だと確信しました。自分が本来持っている身体能力、ボール技術以外の他のことで選手としての価値を補う工夫をしてきたからだと思っています。

プロのサッカー選手になり、わかったことはサッカーの上達の方法はただ単にサッカーがうまくなる、身体能力をあげることだけではなく、ポジショニングをよくする、状況判断を変える・速くする、サッカーの考え方を変える、メンタルを強くするなど、さまざまな手段があることです。サッカーがうまくなる方法にはいろいろなアプローチがあり、私がこれまで培ってきた経験からの視点でみなさんのプレーに対してワンポイントアドバイスをしたいと思っています。

なぜ、ワンポイントなのか

ワンポイントアドバイスにした理由は所属、入団しているチーム戦術、やり方に影響を与えてはいけないと思ったからです。
ワンポイントのアドバイスであればチーム戦術、やり方に影響を与えることはなく、その選手がプラスαのプレーの変化程度に収まります。選手自身がワンポイントアドバイスを取り入れても取り入れなくても自由です。しかし、プレー動画を送ってくれた選手が選択したプレー、ポジショニングと違った『考え方、プレーの選択、ポジショニング』を理由つきで伝えたいです。私が伝えることが必ず正解の答えではないですが、プレー動画の選手に対しての刺激、向上、自信に繋がれば嬉しいです。